事例

NHK

オリンピックにふさわしい規模で速報配信

テレビ局にとって、オリンピックほど放送のハードルが高いイベントはありません。わずか17日間で、1万1,000人を超えるアスリートが、50種目の330を超える試合がひっきりなしに行う大会だからです。日本の公共放送を運営するNHKは、全国の1億2,600万人の人々に対して、正確かつ詳細な速報を分刻みで届けるという、プレッシャーの大きい大役を任され、円滑に放送することを期待されていました。

そのため、2020年の東京オリンピックに向けて高パフォーマンスのカスタムコンテンツプラットフォームを作成し、日本の視聴者にシームレスなサービスを届けられるようにと、弊社にご依頼をいただきました。

世界屈指のスピードと安定性

ザ・プラントでは、NHKのオペレーションルームでのワークフローを数週間にわたって調査し、要旨説明を作成しました。NHKの内部や、厳格なことで有名な国際オリンピック委員会の複数のステークホルダーの方々から承認をいただいた上で、ザ・プラントはセキュリティーから統合まで、全てを網羅した100ページに及ぶ仕様書を作成しました。

弊社チームは、ワークフローを理解することで、リアルタイム配信の実施に特有の問題を特定しました。オンラインで速報を配信するということは、現在進行形の話題について編集を行うということです。すると、同じ話題のコンテンツでも複数の異なるバージョンができてしまう可能性があります。オペレーションルームは忙しく、そうしたバージョンの問題を解決するのは大変な作業になってしまいます。そこで、新たなプラットフォームでは、ユーザーインターフェースを簡素化し、バージョンに明確なナンバリングを行い、公開日時を確認できるカレンダー表示を搭載し、同僚にメモを残したり通知を受け取ったりする機能を実装しました。

NHKは、オペレーションルームでは、協会内外の200人の方々がCMSを利用することになると見込んでいました。詳細なアクセス権の設定を可能にしたので、これらの方々のログイン時にも柔軟にセキュリティーを保てます。また、CMSをウェブサイトから完全に切り離すことで、システムアーキテクチャ自体にもハッキング対策を行いました。この方法は、国際的な大手会計事務所が検証の上で承認された方法です。

このように分割するという革新的なシステムアーキテクチャによって、トラフィックボリュームが高まっても卓越した安定性を実現できました。リクエストを直接CMSで処理すると、サーバーに負担がかかる危険性があります。それを回避するために、このソリューションでは、静的なコンテンツをクラウドに逃がすように設計しました。

このコストパフォーマンスが高いアプローチによって、トラフィックが急増してもCMSを安全に保つことができ、同時に読者には、ほぼリアルタイムで高品質コンテンツを高速配信できるのです。

信頼を構築

このプラットフォームは予定通りに完成し、国際オリンピック委員会を含む全てのステークホルダーの承認を得ました。また、世界的に信頼のある会計事務所によるセキュリティー審査も通過することができました。そして、NHK内部のユーザーもプラットフィームの使用に素早く適応することができました。また、安定したアーキテクチャのプラットフォームであることから、常に人間にモニタリングさせることなくこのソリューションを運用できるので、大幅なコストの削減を実現できました。また、このプロジェクトのために開発した革新的なアーキテクチャは、現在ザ・プラントが手がける全てのCMSでも使われています。それによって、大きな負荷が掛かっても世界屈指のパフォーマンスと安定性を誇るシステムを、クライアントにご提供できるようになりました。